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東京高等裁判所 昭和48年(ネ)304号 判決

控訴人原告

高橋正美

外五名

代理人

久保田昭夫

外五名

被控訴人被告

日本エヌ・シー・アール株式会社

右代表者

三富啓亘

代理人

倉地康孝

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実《省略》

理由

一各控訴人と被控訴会社との労働契約の締結

被控訴会社が肩書地に本社を、東京都大田区仲六郷に蒲田工場を、神奈川県中郡大磯町二、三三三番地に大磯工場を有するほか、全国主要都市に営業所を設置して、金銭登録機、計算機、加算機等の製造、販売、修理等を営む会社であること、各控訴人が被控訴会社に原判決添付入社一覧表記載日(昭和三六年六月二一日ないし昭和三九年四月一六日)に期限の定めなく雇傭された被控訴会社の従業員であることはいずれも当事者間に争いがないから、各控訴人と被控訴会社とは当時被控訴会社を使用者として控訴人を労働者とする期間の定めのない労働契約を締結したものであることが認められる。

二昭和四三年五月当時各控訴人の賃金額、稼働状態及び本件懲戒処分の存在

昭和四三年五月当時各控訴人は被控訴会社大磯工場において働いており、当時控訴人高橋、同橋本の各二日分の賃金額は、控訴人高橋につき二、三四一円、同橋本につき一、七一五円であり、その余の控訴人らの各一日分の賃金額は、控訴人鈴木光男につき九九九円、同青木につき一、二八九円、同鈴木広明につき一、二五七円、同藤原につき一、二九〇円であつたところ、被控訴会社が昭和四三年五月二七日付で各控訴人に対し原判決添付懲戒処分一覧表記載のとおりの本件出勤停止処分及び賃金カツト処分(以下「本件懲戒処分」という)をなし、右処分に基づき同年七月二〇日各控訴人に対し一か月分の賃金を支給するにあたり、控訴人高橋、同橋本につき同年五月二九日、三〇日の各二日分、その余の各控訴人につき同月二九日の各一日分の賃金を控除したことは、当事者間に争いがない。

三本件懲戒処分の効力

各控訴人は、本件懲戒処分の無効原因として、本件懲戒処分は、各控訴人が労働組合の正当な行為をしたことの故をもつてなされた不利益取扱又は懲戒事由該当行為不存在の懲戒であると主張し、被控訴人は本件懲戒処分は、各控訴人が就業規則に定められた懲戒事由に該当する行為をしたので、同規則の定める手続によつてなしたものであると抗争するから検討する。

本件懲戒処分が被控訴会社の懲戒処分通知書の記載によるとさきに引用した原判決事実摘示第二(請求原因)四(一)ないし(五)の各控訴人らの所為を理由とするものであつたこと、被控訴会社の就業規則一一二条に「社員の行為が次の各号の一に該当する場合は情状に応じて譴責、減給、出勤停止、昇給停止、又は降格に処する。」、同条第七号に「業務上の指示、命令に従わず会社の秩序を乱したが、その情の軽いとき」と規定されていること、及び本件懲戒処分は各控訴人の前叙所為が被控訴会社就業規則の右条号に該当するとしてなされたことは当事者間に争いがなく、〈証拠〉によれば前記就業規則一一二条九号には「その他前各号に準ずる行為があつたとき」と規定されていることが認められ、〈証拠〉を総合すると次の事実を認めることができる。

1  被控訴会社大磯工場は、昭和三二年一〇月一五日創設されたものであるところ、これよりさきの同年二月一六日被控訴会社には蒲田工場の従業員及び東京その他の営業所の技術員を中核とする全国金属労働組合日本ナシヨナル金銭登録機支部という労働組合が結成され、大磯工場設立に伴い同工場に、蒲田工場から転勤して来た従業員を中心に全国金属労働組合日本ナシヨナル金銭登録機大磯支部(以下、支部組合という。)が結成された。その後昭和三九年一〇月二〇日被控訴会社従業員の一部により日本NCR労働組合(以下、NCR労組という。)があたらしく結成されると、支部組合から脱退してNCR労組に加入する者が相継ぎ、昭和四四年七月には大磯工場従業員一、二四五名中支部組合所属者約五〇名に対しNGR労組所属者は約六三〇名に達し、同工場の管理職を除く従業員の過半数はNGR労組によつて組織化されるに至つた。

控訴人高橋正美は昭和三六年九月、控訴人青木清は昭和三七年六月、控訴人鈴木光男は昭和三九年八月支部組合に加入したものであり、昭和四三年四、五月当時控訴人高橋正美は支部組合執行委員長、同橋本桂三は同副執行委員長、同鈴木光男は同副書記長、同藤原靖生は同会計、同青木清、同鈴木広明はいずれも同執行委員であつた。

2  支部組合は、当初その本部、支部の発行する機関紙等を支部組合事務所に設けられた各職場別の状差しの中に支部書記局員が投函して置き、各職場委員がこれを始業前又は昼の休憩時間中に各職場組合員に配付するという配付方法を採つていた。しかし、前叙したように同一経営内に二組合が併存するに至つたのち支部組合は、いわゆる教宣(教育宣伝)活動を活発に行うために支部の日刊機関紙として支部組合の活動方針、報道、要求等を掲載した「おはようみなさん」(大きさはわら半紙の約半切ないし四分の一切で一枚のもの)を発刊し、被控訴会社従業員に対しその出勤時(就業時間前)に手渡しの方法で配付することを決定し、昭和四〇年四月一二日以後毎朝大磯工場一号館入口において(後記のとおり従業員は工場構内に乗り入れる通勤バスで通勤する者が多いため工場敷地外では効果が乏しい)支部組合員が出勤して来る従業員に対し、その従業員が支部組合員であると否とに拘らず、手渡しの方法で配布を続けた。ところでかねて被控訴会社は、大磯工場において会社施設は業務の目的のために使用するものであり、就業時間外の業務目的以外の会社施設の利用は原則として認めない方針で管理すべく昭和三三年五月二八日工場長から各従業員あてに工場内通達第八五号を発して「従業員は社用(会社業務)及び既に定められている在寮者の食事又は入浴の目的の他は工場建物の内に一切入らないこと」を周知させていた。そこで被控訴会社は、大磯工場一号館入口において支部組合員が「おはようみなさん」(以下ビラともいう。)を出勤して来る被控訴会社従業員に配付し始めた当時北原労務課長をして現場で支部組合副執行委員長吉田裕昱に対しこのような場所でビラを配付する慣行のないことを指摘し、「事前に許可を得ていないビラは就業時間外であつても被控訴会社敷地内で配布してはならない。即刻中止するように。」と制止、警告させたが、支部組合はこれに応ぜず当日午前八時頃まで、その後も同様の方法によりビラ配布を継続した。その方法は、晴天の日には大磯工場一号館A及びCブロツク各通用口前の巾約1.8メートルの通路上の両側に各数名宛並び、雨天の日には同通用口(巾約1.2メートル)内のタイムレコーダーの設けられている通路上の両側又は片側に数名宛並んで毎朝始業時刻(大磯工場では通常午前八時〇五分)前出勤して来る従業員の前に「おはようみなさん」を各人が一枚宛差し出すというものであり、大磯工場では従業員のうち相当多数が国鉄平塚駅前から被控訴会社大磯工場構内まで乗り入れる通勤バス三台に一台約七〇名宛分乗して午前七時三五分頃から午前七時五五分頃までの間に三回に分れ順次到着出勤するので従業員が前叙のように通路巾の狭い各通用口を長い一列縦隊となつて通過することが多く、ビラを受け取らない出勤者には次ぎから次ぎにと胸元前方にビラが差し出され通行に渋滞を来しかねないこともあつて、出勤者のうち職制でない従業員の多数は一応ビラを受け取つていた。しかし、前叙のとおりNCR労組が結成されていたこともあり、従業員に手渡された「おはようみなさん」が其の場に捨てられ、散乱することも多かつた。そこで、被控訴会社は、その後も支部組合に対し無許可で「おはようみなさん」を配布しないように警告する一方、右につき協議を申し入れ、円満解決を図ろうとしたが、支部組合は、機関紙の発行のみでなく配付も組合活動として使用者から自由であり、被控訴会社と協議して機関紙の配付方法を決めるべきではないとの態度を固執しつづけ協議ができなかつた。NCR労組は、昭和三九年一〇月結成直後被控訴会社と協定のうえ、機関紙を職場代表委員を通じて職場ごとに配付していたが、昭和四〇年五月労使慣行を破る支部組合のビラ配付につき被控訴会社に善処を促し、同年五月一五日被控訴会社米沢労務部長は支部組合三役と会見し被控訴会社北原労務課長と協議して善処するよう要請し、同年同月二六日支部組合執行委員長と北原労務課長とが協議し被控訴会社側からビラボツクス設置等の提案もされたが支部組合側は「おはようみなさん」の配付を許可制とする前提では協議に応じられないとして、これを拒否し、同年七月一〇日、被控訴会社がさきに同年四月一二日支部組合の大磯工場入口でなしたビラ配布につき許可のない配布を認めない旨支部組合に対し警告した等の行為を組合活動に対する支配介入であるとして被控訴会社を被申立人とし神奈川地方労働委員会に対し不当労働行為救済を申し立て、以後支部組合と被控訴会社とのビラ配布問題に関する協議は中断され、「おはようみなさん」の配布は従前どおりの方法で行われたが、それは被控訴会社がそのような配付を容認したからでなく、労働委員会において解決しようと考えていたからであつた。その後、被控訴会社の女子従業員数名が出勤の際支部組合員らからビラを差し出される大磯工場Aブロツク通用口を通るのを避けて非常口から同工場に入つたり、また同会社の一従業員が大磯工場に出勤の際目の前にビラを差し出した支部組合員の手を振り払つたためいさかいを生じたりしたこともあり、被控訴会社はビラ配付問題を何時までも未解決のまま放置しておくことができないとして、労委の判断を待つて解決することを断念し、昭和四三年二月九日、一四日、二八日三回に亘り、ビラ配付に関する協議を申し入れ支部組合と同年三月一三日及び四月三日協議したが、被控訴会社は支部組合が「おはようみなさん」の配付につき許可制を認めるなら、その配付方法につき十分協議しようというのに対し支部組合はビラ配付は組合活動の一手段であるから被控訴会社の許可を求める必要はないとし、協議は全く進展しなかつた。

3  このような経緯を経て被控訴会社は、昭和四三年四月一〇日文書を以て支部組合に対し支部組合が従来続けているビラ配布方法を中止するように警告するとともに、同日大磯工場建物内に二か所設置したビラボツクスを以後利用されたいと申し入れ、同工場各通用口の組合掲示板の下に状差しのような形をしたビラボツクスを設置したが、支部組合は右の指示に従うことなく依然として従前の方法により「おはようみなさん」の配布を継続した。そこで、被控訴会社は、吉沢労務課主任、上原労務課員、鈴木警備課長らをしてビラ配付を中止し、ビラボツクスを使用するよう警告させたが、控訴人高橋、同橋本、同鈴木光男、同鈴木広明、同藤原靖生は、交々現場において支部組合員らを指導し、警告を無視して、休日以外連日午前七時三〇分頃から(但し、同年四月一二日には午前六時四五分頃から)午前八時頃まで従来どおりの方法で「おはようみなさん」の配付を続行した。同年四月一二日に早朝からビラの配付が開始された理由は、被控訴会社大磯工場の始業時間は、前叙のとおり通常勤務者について午前八時〇五分であつたが、ダイキヤスト作業場の交替制第一勤務者については午前七時一〇分であつたのでビラ配付を交替制一直の早番勤務者にも行つたからである。

たまたま昭和四三年四月一九日、同月二三日、同年五月八日はいずれも雨天であつたため、支部組合は、大磯工場一号館A及びCブロツクの各通用口内のタイムレコーダーを設置してある通路上で「おはようみなさん」の配布を、配布担当組合員の人数を増加し被控訴会社職員の警告を無視して行つた。すなわち、四月一九日午前六時五〇分頃から午前八時頃まで、控訴人鈴木光男、同藤原靖生らは支部組合員らとともに、四月二三日右同時刻頃の間控訴人高橋正美、同青木清らは支部組合員らとともに、五月八日午前六時四五分頃から午前八時頃まで控訴人高橋正美、同鈴木光男らは支部組合員らとともに、いずれも出勤してくる従業員を巾約1.6メートルの工場内通路の片側ないし両側にならんで迎え、出勤者一名に対し通路手前にならんだ者から順次一名が出勤者の前に「おはようみなさん」を差し出し、出勤者が受け取らなければ、次にならんだ者が続いてその出勤者の前にビラを差し出し、雨天のため従業員が雨具等を所持していたこともあつて、混乱がないではなかつた。しかも、右控訴人らはいずれも配付現場において被控訴会社の北原労務課長をはじめ係員らの制止、警告を受けたにもかかわらず、右配付行為を実行した。

また、昭和四三年四月三〇日午前六時三〇分頃控訴人青木清は支部組合員一名とともに大磯工場一号館Bブロツク男子ロツカールーム内外で折柄一直勤務のため出勤して来た被控訴会社従業員らに対し「おはようみなさん」の配付を行つた。

以上3記載のビラ配付当時も各控訴人らは前叙支部組合の役職にあり、積極的に右ビラ配付を支持推進していたものである。

4  これより先、控訴人高橋は、(一)大磯工場ロビー前において無許可職場集会を強行したことにより昭和四〇年一二月二九日に出勤停止一日の懲戒処分、(二)被控訴会社誹謗のステツカーを貼つたこと、大磯町政を中傷し会社の名誉信用を毀損した文書の配付、会社役員を誹謗した文書の配付、違法ピケツテングの実行等により昭和四一年一〇月三一日以降出勤停止三日の懲戒処分を受け、控訴人橋本は、(一)控訴人高橋の右(一)と同じ懲戒処分(二)無許可ビラを就業時間中に工場内で配付したことにより昭和四一年二月二日以降出勤停止三日の懲戒処分、(三)控訴人高橋の(二)の処分と同じ理由により昭和四一年一〇月三一日以降出勤停止五日の懲戒処分を受けた。〈証拠判断省略〉

懲戒事由不該当の主張について

控訴人らは、本件懲戒処分の理由として掲げる各控訴人の行為は被控訴会社の就業規則一一二条七号に定める懲戒事由に該当しないから、右条号に基づいてなされた本件懲戒処分は無効であると主張する。しかし、大磯工場が労働者である各控訴人の使用者である被控訴会社によつて工場建物及び敷地を所有ないし占有されてその管理に属している事業場であることは当事者間に争いがなく、各控訴人が所属する労働組合である支部組合の機関紙である「おはようみなさん」が大磯工場の敷地ないし建物内において被控訴会社の警告制止を無視して各控訴人により被控訴会社従業員に配布されたことは前記3のとおりである。一般に事業場は、当然に使用者の管理に属し、労働者は、自己の労働力を使用者に委ねるために事業場の出入りを許され、就業時間中は使用者の指揮命令に従い労務に服する義務を負うものであり、労働組合は労働者が団結によりその経済的地位の向上を図ることを目的として自主的に結成加入した団体であつて、使用者から独立した別個の存在である。従つて、労働者の労働組合活動は、原則として就業時間外にしかも事業場外においてなすべきであつて、労働者が事業場内で労働組合活動をすることは使用者の承認がない限り当然には許されず、この理は労働組合活動が就業時間中の休憩時間に行われても、就業時間外に行われても変りがないと解すべきである。これを本件についてみるのに、〈証拠〉によれば、被控訴会社の就業規則には事業場内において業務外の集会を行う場合の許可手続を定め、政治活動を禁止した規定(一二条)、就業時間中に業務外の印刷物を会社の許可なく配布することを禁止した規定(一三条)等のあることは認められるが、一二条はいうまでもなく、一三条も前記原則に照らせば厳格に解すべきであつて、就業時間外に事業場内で業務外の印刷物を会社の許可なく配布することを承認した趣旨に解することはできず、前記3の事実から控訴人らのビラ配付が巾狭い通路を集団的に通過する出勤者の多数にビラの受け取りを事実上強制する結果となつたこと、すくなくとも一部の従業員が迷惑したことはいずれもこれを推認することができ、使用者の有する事業所の管理権は本来施設を経営目的達成のために管理するものであるから、これに基づく指示命令を施設の物的利用の仕方に関するものに限られると解するのは相当でなく、前記3の控訴人らのビラ配付のように一過的にもせよ被控訴会社従業員の事業場における就労準備を遅らせあるいは事業場の物的施設を汚損する場合にはこれをその目的に副つて物的に機能させるため右配付を禁止し得る権能の基礎となると解すべきであり、始業時間を控えての就労準備遅延は就労を遅延させ、そうでなくても受け取つたビラが大磯工場の建物又は敷地内に放置され、その効用を害するから、事業場施設の物的管理の妨害とならないということはできず、控訴人らの所為は懲戒事由に該当するものであつて、これに該当しないとの控訴人らの主張は採用の限りではない。

不当な不利益取扱であるとの主張について

控訴人らは、控訴人らがなした「おはようみなさん」の配布は、正当な組合活動であるから、これに対する本件懲戒処分は不利益取扱であり、不当労働行為として無効であると主張する。

各控訴人が昭和四三年四、五月当時支部組合の役職にあり、その組合活動として支部組合の活動方針、報道、要求等を記載した支部組合の日刊機関紙として「おはようみなさん」を配付したことは前叙のとおりである。しかし、控訴人らが「おはようみなさん」を被控訴会社が管理している大磯工場の建物又は敷地内で右会社の警告、制止を無視してその従業員に配布したことは前叙のとおりであり、前記2のとおり大磯工場において昭和四〇年四月一二日前には同工場入口で労働組合のビラを手渡す配付方法はとられていなかつたこと、前記2、3のとおり支部組合の採つた配付方法に対し被控訴会社は配付につき被控訴会社の許可をとるように再三申し入れ協議し警告していること、前叙のように配付場所の通路が狭いこともあつて、配付により従業員の出勤に混乱を生じ、特に雨天の際には混乱と迷惑とを惹起することがあつたこと、前叙のとおり、併存するNCR組合から善処の要望もあり被控訴会社は、「おはようみなさん」の配付につき被控訴会社の許可を原則として認めるならば、配付方法としてビラボツクスの設置を提案するが右提案に固執しない態度であつたのに対して、あくまで組合ビラ配布は自由であるという独自の立場に固執し、被控訴会社の協議に応ぜず、指示に従わず、前叙のとおり一過的にもせよ、繰りかえし大磯工場の敷地建物の機能を害した各控訴人の所為は相当でなく、これを正当な組合活動であると認むべき特段の事由は認められない。そして、前叙控訴人両名の就業規則違反歴等をも参酌し同規則一一二条七号を適用した本件懲戒処分は被控訴会社の適法な懲戒権の範囲内にあり、他意はないと認められるから、控訴人らの不当労働行為の主張もまた採用し難い。〈以下、省略〉

(吉岡進 園部秀信 兼子徹夫)

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